第3種換気においても、漏気による換気回数を出来る限り少なくし,機械換気で行われる必要換気回数0.5回/hで行われる気密レベルは当然求められます。ただ誰もが知っているように第3種換気に求められ気密レベルは、第1種換気のそれに較べてかなり低いものとなります。それは以下の理由によります。
図1は、第1種換気と第3種換気の稼働時での発生する室内圧Pi を示したものです。第1種換気の場合には、給気経路と排気経路の圧損のバランスがほぼ取られるために、室内圧Pi はほぼゼロとなります。その結果、漏気が生じる気密レベルは、換気システムの無稼働時の場合とほぼ同程度のものとなります。それに対して第3種換気では、室内に生じる負圧と建物外側の側面及び風下側の壁面に生じる負圧とがお互いに消し合う形で引き合うために、室内外の圧力差に基づく漏気量は大幅に軽減させる事になります。その結果、第3種換気での漏気量がゼロとなる気密レベルは、第1種換気に較べてかなり低いものとなります。
図2は、全体の換気回数Nに対する隙間による換気回数nがn/N=0.1(漏気量が全体の10%)となる場合の気密レベルを示したものです。隙間からの漏気量が全体の10%とした場合には、第1種換気での気密レベルは0.4cm2/m2と極めて高いものが求められます。一方、それに対して第3種換気での気密レベルは、1.7cm2/m2~1.8cm2/m2とかなり低いものとなります。したがって、第3種換気に求められる気密レベルは、1.5〜2.0cm2/m2程度であると考えてよいことになります。
図2 気密レベルと隙間による換気回数との関係